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短頭種のワンちゃんとは
短頭種とは、鼻が短く顔が平たい「鼻ぺちゃ」のワンちゃんのことです。愛らしい表情と親しみやすい性格で、多くの飼い主さんに愛されています。
代表的な短頭種
- フレンチブルドッグ
- パグ
- ボストンテリア
- ブルドッグ
- チワワ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- シーズー
- ペキニーズ
これらの犬種は品種改良によって鼻が短くなるように作り出されましたが、その結果として特有の健康上の課題を抱えやすくなりました。
02
短頭種に多い病気について
1. 短頭種気道症候群
主な症状
- いびきをかく
- 睡眠時無呼吸
- 呼吸音が荒い(ゼーゼー、ガーガー)
- 運動後の呼吸困難
- 興奮時の過度なパンティング(荒い呼吸)
- 暑さに弱い
含まれる疾患
▶︎ 鼻孔狭窄症
鼻の穴が生まれつき狭く、鼻からの呼吸がしにくい状態です。空気を吸い込む力が弱くなり、常に口呼吸に頼ることになります。
▶︎ 軟口蓋過長症
喉の奥にある軟口蓋という部分が長く厚いため、気管の入り口を塞いでしまいます。これにより空気の通り道がさらに狭くなり、呼吸困難を引き起こします。
▶︎ 喉頭室外反
呼吸の負担が続くことで、喉の組織が反転して飛び出し、気道を塞いでしまう状態です。
治療について
▶︎ 内科的治療
軽度の場合は、体重管理・体温管理・投薬(消炎剤や気管支拡張剤)で症状の緩和を図ります。
▶︎ 外科的治療
- 外鼻孔拡張術:狭い鼻の穴を広げます
- 軟口蓋切除術:長すぎる軟口蓋を適切な長さに切除します
- 喉頭小襄切除術:飛び出した喉の組織を切除します
重要なポイント:早期治療の必要性
短頭種気道症候群は進行性の病気です。若いうちに手術を行うことで、良い状態を長持ちさせることができます。時間が経ち負担が増した状態での手術は高リスクとなるため、適切なタイミングでの治療が重要です。 研究によると、手術を受けた症例の約90〜94%で症状が改善されています。
2. 眼科疾患
短頭種は目が大きく飛び出しているため、眼のトラブルが非常に多い犬種です。
角膜潰瘍
特徴
眼の表面(角膜)に傷がついた状態です。短頭種は目が露出しやすく、角膜の知覚が長頭種よりも弱いため、傷を作りやすいという特徴があります。
症状
- 目をしょぼしょぼさせる(羞明)
- 涙が多く出る
- 目ヤニの増加
- 目を気にして強くこする
- 痛みで元気・食欲が低下することも
治療
- ▶︎ 軽度の場合:抗菌薬や角膜保護の点眼薬を使用
- ▶︎ 中等度〜重度の場合:血清点眼や内服薬を併用
- ▶︎ 深い潰瘍の場合:瞬膜被覆術などの外科的処置が必要
早期発見と適切な治療で回復が見込めますが、放置すると視力低下や失明のリスクがあります。

水晶体脱臼
特徴
目の中の水晶体を支える糸(チン小帯)が断裂し、水晶体が正常な位置から外れてしまう状態です。特に前方脱臼は痛みを伴うため、早急な治療が必要です。
症状
- 目の痛み
- 視力低下
- 充血
- 眼圧の上昇
治療
多くの場合、外科的な処置が必要となります。放置すると視力低下が進行し、緑内障などの合併症を引き起こす可能性があります。

多くの場合、外科的な処置が必要となります。放置すると視力低下が進行し、緑内障などの合併症を引き起こす可能性があります。
3. アトピー性皮膚炎
短頭種はアトピー性皮膚炎にもかかりやすい犬種です。
特徴
ダニ、ハウスダスト、花粉などの環境アレルゲンが原因で起こる慢性の皮膚炎です。体質によるもので、完治は難しいものの、適切な管理で症状をコントロールすることができます。
治療
▶︎ 内科的治療:かゆみを抑える内服薬や注射(アポキル錠、サイトポイント注射など)
▶︎ 外用薬:抗炎症効果のある塗り薬
▶︎ スキンケア:薬用シャンプーや保湿剤による皮膚バリア機能の改善
▶︎ 減感作療法:アレルゲンを特定し、徐々に体を慣らしていく根本治療
▶︎ 環境管理:こまめな掃除、空気清浄機の使用など
短頭種は顔のしわが多いため、しわの間の皮膚炎にも注意が必要です。定期的な清拭と保湿で予防することができます。
症状
- 指の間や顔のしわ、脇、耳などの痒み
- 皮膚の赤み・発疹
- 脱毛
- 前足を舐める、掻く行動
- 皮膚の肥厚やカサブタ
▶︎ 内科的治療:かゆみを抑える内服薬や注射(アポキル錠、サイトポイント注射など)
▶︎ 外用薬:抗炎症効果のある塗り薬
▶︎ スキンケア:薬用シャンプーや保湿剤による皮膚バリア機能の改善
▶︎ 減感作療法:アレルゲンを特定し、徐々に体を慣らしていく根本治療
▶︎ 環境管理:こまめな掃除、空気清浄機の使用など
短頭種は顔のしわが多いため、しわの間の皮膚炎にも注意が必要です。定期的な清拭と保湿で予防することができます。
03
日常生活での注意点
短頭種のワンちゃんと快適に暮らすために、以下の点に注意しましょう。
温度管理
- 暑さに非常に弱いため、夏場はエアコンで室温を適切に保ちましょう
- 直射日光を避け、涼しい場所で過ごせるようにしてください
- 冬の寒さにも弱いため、散歩時には服を着せるなどの対策を
運動について
- 激しい運動や長時間の運動は避けましょう
- 散歩は短時間で、涼しい時間帯に
- 過度な興奮を避けることが大切です
呼吸のトラブル対策
- 興奮させすぎないように注意
- 喉が腫れて苦しくなった時のために、保冷剤を常備
- 首輪よりもハーネスの使用がおすすめ
体重管理
- 肥満は呼吸器や関節に大きな負担をかけます
- 適切な食事管理と適度な運動で理想体重を維持しましょう
定期健診
- 症状が見た目に出にくいこともあるため、定期的な健診が重要です
- 呼吸音のチェック、目や皮膚の状態確認など、短頭種特有のポイントを重視した診察を受けましょう
04
当院の短頭種治療の特徴
経験豊富な獣医師による診察
当院では短頭種の診療に豊富な経験を持つ獣医師が、一頭一頭の状態を丁寧に評価します。
安全な麻酔管理
短頭種の麻酔リスクは「高い」と言われることがありますが、全身状態をしっかりと評価し、適切な麻酔管理を行えば、安全に麻酔をかけることができます。当院では短頭種の特性を十分に理解した麻酔管理を行っています。
若いうちの状態確認を推奨
短頭種の呼吸トラブルの多くは進行します。「今は元気だから大丈夫」と思っていても、早めに動物病院で状態を確認することをお勧めします。
悪化の可能性が高ければ、できるだけ若いうちに手術を行うことで、リスクを低減し、良好な予後を得ることができます。
総合的な診療体制
呼吸器疾患だけでなく、眼科疾患や皮膚疾患など、短頭種に多い病気を総合的に診療いたします。
こんな症状があったらご相談ください
01
いびきの音が
大きくなってきた
02
睡眠中に呼吸が
止まることがある
03
運動後の呼吸が荒い、
なかなか落ち着かない
04
暑い日に舌が
紫色になる
05
目をしょぼしょぼ
させている
06
涙や
目ヤニが多い
07
皮膚を痒がる、
赤みがある
08
前足を
よく舐める
これらの症状は、短頭種特有の病気のサインかもしれません。早めの診察が愛犬の健康を守ります。